「紀和の火祭り」を久々に取材した。実行委員会の西健作委員長は、コロナ禍で開催できなかった時期を含めて7年間の委員長としての大役を今年で終えた。あいさつは全てのプログラムが終了し、会場が余韻に浸る中で行われ、全力で準備・運営に臨んだとしながら、「今日は楽しかったですか」と問いかけると、「紀和町最高」「紀和町ありがとう」の声が飛び交い、大きな拍手が起こった。
初めて紀和火祭りの取材に出向いた際、当時の実行委員の方に「柱まつりを体験してみるといい。その方がこの祭りの良さが分かるよ」と教えられた。松明に火を灯(とも)し、火が消えないようグルグル回しながら時計回りに進む。「始め」の合図とともに高さ20メートルの竹籠めがけて投げる。当然思った方向に飛ばず、自分の投げた松明を何度も取りに走った。気がつけば誰かが命中させていたが、顔を煤(すす)で汚しながらも、充実感に浸った。
地域伝統の祭りを継続する難しさは常にあると思うが、関係者が一丸となって作り上げる祭りは本当に最高。これからも自分たちは紙面で応援していきたい。
【F】
