先日の公共交通会議で、東紀州と中勢を結ぶ松阪熊野線の廃止のほか、尾鷲長島線や島勝線の赤字を埋めている地域間幹線系統補助の輸送量の条件が5年間限定で緩和されると報告があった。
紀北町のバスの利用者数はいこかバス海野線を除いてコロナ禍の前後でほぼ半減している状態で、明らかにコロナ禍で事態は加速化している。補助の緩和措置もあくまで5年間の猶予であり、この期間中に何らかの対応を考える必要がある。
公共交通のうち順調に利用者が増えているのは、おでかけ応援サービス「えがお」。運賃や利便性、民業への影響などで議論の余地はあるものの、コロナ禍で公共交通の維持に不安が膨らみかねない中、交通空白地を解消した「えがお」が既に確立できていることは大きい。
先の緩和措置で問題は先送りされたが、裏を返せば5年後までに何らかの解決策を講じなければならない。交通手段の確保は住民の日常生活に欠かせない非常に重要な課題。公共交通は大きな転換期に差し掛かっている。
(R)