紀北町古里の熊野古道を歩くツアーが先日行われた。世界遺産登録20周年に、あえて登録されていない古道をとりあげたことに、意識の高さを。
古里は民宿やキャンプ場、温泉、海水浴場があり、宿泊拠点となり得る機能がある。熊野灘に島々が浮かぶ「紀伊の松島」の眺望に、ミカン畑の黄色がよく映える。ここに世界遺産、熊野古道というブランドが加われば、満足度の高いツアーが造成できる。
熊野古道伊勢路には、熊野三山と高野山という象徴的なメガブランドがある大辺路、中辺路、小辺路と有効な差別化を図らなければならない、という課題がある。
ツアーの中で、熊野古道ではないものの、大正時代の熊野街道大改修による煉瓦隧道の造形に惹かれるものを感じた。紀北町にはほかにも、魚まちや林業家の木造建築など近代やレトロを肌で素材が目立つ。
江戸時代の巡礼を起点とし、魚町と古里を拠点としながら明治、大正、昭和の変遷を味わいながら町内で観光客を囲い込むようなツアーを開発できないか。
(R)