きほく七夕物語は個人的に思い出深い取材の一つ。スーツのまま胸元まで水に浸かりながらシャッターを切った。幻想的な〝天の川〟は見飽きることなく、夏風でシャツが乾くまで、ずっと眺めていられた。
七夕物語が6年連続で中止となった。やるべきだと言うのはたやすいが、この中断期間は大きく、存続の岐路に立つ。
そもそも、七夕物語は夏前に、銚子川への観光誘客を促進する意味合いを持つイベント。「奇跡の清流」として評判を呼び、夏場はオーバーツリーズムが指摘される状態になっている。既にイベントとしての使命は終えた、と考えることもできる。
イベントとしては秀逸で、資材も残っており、なくすのは惜しい。昨年の燈籠祭りはSNS上で評判を呼んだが、七夕物語も「バズる」適性がある。例えば、規模を縮小した上で存続を図る、コンセプトを変更した上でシーズンオフの観光誘客に活用するなど、議論する余地は大いにある。イベントは町民の意志と幸福とともにあり、ぜひアイデアを出し合ってほしい。
(R)