矢浜小で森林環境教育と木育推進事業が立て続けに行われた。校内で学んだ間伐を数日後に山で実践するという豪華な取り組みになった訳だが、森林環境教育はコロナによる臨時交付金を活用したもので2つの事業に名目上に関連はなく、偶然が重なった結果とは聞いている。ただ、これはあながち運が良かった、と片付ける話でもない。
そもそも、尾鷲は自然体験教育が盛んだ。木育、川育、海育の3連続の「おわせ育」が評価を受けたことは目を引くが、ヤマネ学習や木工体験、魚市場見学、干物づくり体験などさまざまな取り組みが元々ある。これは関係者が長年創意工夫を凝らしてきた積み重ねであり、一次産業の担い手不足への不安の裏返しでもある。
尾鷲での自然体験教育の根底にあるものとして、とにかく手をかけた結果として非常に良質な材木ができるという尾鷲ヒノキ林業の特性と関連づけられるのではないか。これは人間教育にも通じるところがある。継続に実施していくためには誰がどう担っていくかが課題だが、自然体験教育はぜひとも今の姿勢を続けてほしい。このまま育っていけば、尾鷲の大きな財産の一つになり得る。
(R)