強い揺れと津波で死者・行方不明者406人、負傷者607人、住家全壊1826棟、家屋流失2238棟。県内に甚大な被害をもたらした昭和19年12月7日の昭和東南海地震から間もなく76年を迎える。
この地震の記憶を風化させず、一人一人の自主的な防災活動の機運をいっそう高め、災害に強い地域社会の実現を図るため、県はこの日を「みえ地震・津波対策の日」と定めている。
昭和東南海地震について話を聞いたり、被災写真を見たりしていたが、津波の恐ろしさを実感させたのが2011年3月に発生した東日本大震災。津波がまちを襲う映像が衝撃的で、その恐ろしさを見せつけられた。
南海トラフ巨大地震が発生しないまま、大震災から9年9か月になる。防災拠点をはじめ、橋の耐震化なども進み、来年の夏には尾鷲市内の浸水想定区域をかわす熊野尾鷲道路II期も完成するなど、着々と整備が進む。
一方、それぞれの個人の家はどうか。津波から逃れるためには、まず地震から身を守ること。耐震や家具固定は済んでいるのか。必要であれば一つでも対策を進める。いま一度防災について見直す機会にしたいものである。
(J)