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社説「側溝の清掃 行政主導で」

 九州北部や東北北部で記録的な大雨が続き、大きな被害が出た。犠牲になられた方にお悔やみを、被災された方にはお見舞いを心より申し上げます。被害状況が明らかになった段階で秋田県の知事が、秋田市で広範囲に発生した道路や住宅地の冠水について、河川の氾濫以外に、舗装面の拡大で大量の雨水が排水できずにあふれる内水氾濫の可能性が高いとの指摘をしていた。

 近年、全国どこで発生しても不思議ではない豪雨災害。当地方は12年前、紀伊半島大水害を経験。以降、熊野川の河道掘削や市田川の排水機能強化などを進めてきた。道路の冠水対策は幹線道路を優先的に進め、新宮市三輪崎の国道42号で工事が完了し、同市相賀の県道高田相賀線でも現在、かさ上げ工事が進んでいる。一方で、市街地の生活道路では、短時間に集中した雨が降ると、たちまち冠水し始める道路が各所で見られる。
 
 全ての箇所で道路改良の抜本的対策は難しいが、内水氾濫を軽減するために側溝清掃はできる対策ではないか。当地方の側溝清掃に関しては、地元自治会等で実施するケースが多い。新宮市の場合、担当課が毎年、各町内会長あてに側溝清掃の案内を送付し、希望のあった町内会について、土砂の堆積状況などの事前調査を経て、町内会で実施するかどうか判断してもらっている。実施にあたっては、市が業者に依頼して溝蓋の上げ下げと土のう袋の回収を担い、清掃作業は住民が行う。昨年、久々に清掃を実施した自治会では、10センチ以上の土砂が堆積していたことに驚いていた。
 
 高齢化が進む当地方の状況を踏まえれば、自治会任せではなく、予算化してでも行政主導で行うことを考える時期ではないか。特に暑い日の作業は高齢者にとってリスクが高い。この点について、新宮市の担当課は「市での実施を望む声もあり、将来的に検討していく必要があると認識している」との見解を示す。定期的な清掃を行えば、側溝本来の排水機能を果たし、大雨時の内水氾濫のリスクを軽減するとともに、衛生面でも良好となる。
 
 梅雨が明け、本格的な夏の暑さが連日続く。台風シーズンもこれからが本番。暑さと自然災害への備え。行政、住民それぞれの立場でできる対策を講じてもらいたい。
 

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