参議院議員選挙が3日に公示された。参議院議員は任期が6年で、3年ごとに半数を改選する。参院の定数248のうち、改選124議席(選挙区74、比例区50)に、東京選挙区の補欠選挙(欠員1)を合わせた125議席を決める。
物価高対策や給付・減税など生活支援と共に、政治と金の問題が引き続き争点となる。石破茂首相(自民党総裁)は勝敗ラインを「非改選を含めて与党で過半数」としている。昨秋の衆院選で少数与党となった石破政権が参院でも過半数割れとなれば、政権運営は一気に行き詰まる。今回の参院選を事実上の政権選択選挙とする見方もある。
和歌山選挙区(改選数1)には過去最多の7人が立候補した。昨秋の衆院選でくら替え出馬し当選した世耕弘成氏が長く座ってきた議席の争いは、保守分裂、野党共闘などで激戦が予想され、全国でも注目選挙区の一つに挙げられている。
三重選挙区(改選数1)には4人が立候補。自民党現職に新人3人が挑む。自民が12年前に獲得した議席を守れるか、野党は自民の県内参院2議席独占を打ち破れるかが焦点となる。
比例代表は政党名を書いても個人名を書いてもよい。政党名とその党に所属する個人名を合算して政党の得票が決まり、政党内では個人名の多い人から順に当選する。政党が当選させたい人に優先席を与える「特定枠」という仕組みもある。
身近な地方選挙に比べ、国政選挙への関心はそれほど高くないという人は多い。しかし、長引く物価高騰により住民生活は厳しさを増すばかりで、国や政治に対する不満や期待の声が日に日に大きくなっている。暮らしをよくするためには、有権者一人一人の投票行動が大切。それぞれの候補者や政党の政策を十分見極めたうえで、責任ある1票を投じてほしい。
投票日は20日(日)。補欠選挙などを除き3連休の中日に国政選挙の投票日があるのは初めてという。すでに予定を入れていた人も多いだろう。各市町村では4日から期日前投票が始まっている。面倒な手続きは不要で、投票日当日と同じ方法で投票できる。和歌山県選管は「これからの国政を託すべき代表者を選ぶ大切な選挙。棄権することなく投票に参加してほしい」と選管委員長名の談話を発表した。