高齢化が進む当地方で、各自治体の職員は一つ一つの住民サービスについて、例年通りを踏襲するのではなく、状況に応じて変化させながら、これまで以上に住民に寄り添い、向き合っていくことが求められる。
今月26日から運用開始となる戸籍へのふりがな記載に関しては、確認通知が順次送付されることになるが、ふりがなに誤りがあった場合に届け出が必要なこと、正しい場合は届け出の必要がないこと、併せて、届け出にあたって国や市町村に対して支払いが生じることは一切なく、手数料もかからないこと、この制度に便乗した詐欺被害に注意することを周知してもらいたい。"お役所言葉"は一度見ただけでは理解できず、そのままにしてしまう住民もいるため、さまざまな方法・機会を捉えて繰り返し呼び掛けることが大切だ。
毎月自治体が発行する広報紙。新宮市では全戸配布を基本としているが、その配布時期には課題もある。月末開庁日の前日に配達員に渡し、月初め3日までに完了するのが基本という。ゴールデンウイーク中に旅行や帰省などで自宅をしばらく留守にした家庭では、新聞や郵便物を一時止めるなどの防犯対策を講じた一方で、月初めに投函された広報紙が数日間ポストからはみ出した状態だったという家庭もあった。ゴールデンウイークや年末年始は時期をずらした配布はできないか。防犯対策を呼び掛ける行政側が、足かせになってはいけない。
また、空き家に投函してしばらくそのままになっていたり、同じものが2部投函されたりするケースもあり無駄になっている。委託契約の配達員では判断できないことも多く、市が責任をもって管理してもらいたい。
広報紙は市ホームページからデータファイルでも見ることができる。市はペーパーレス化の取り組みの一環で、県内や近隣の自治体に郵送している広報紙を取りやめてデータでの閲覧に切り替えることを検討しているが、市民に向けては、紙ベースでの提供を求める高齢者の声があり全戸配布は続けるという。
新宮市は昨年度末で多くの幹部職員が退職や役職定年を迎えた中、今春の人事異動では後任の課長職に若手や女性職員を積極的に登用した。住民サービス向上に向けた変革を期待したい。