那智勝浦町那智山の熊野那智大社と那智山青岸渡寺で、節分(2月2日)に向けた準備が進んでいる。那智大社は鬼面札2000枚を節分の前日まで、青岸渡寺は祝枡(いわいます)600個ほどを1月末までにそれぞれ作り上げ、福を呼び込む縁起物として祈祷した参拝者などに授与する。14日にはそれぞれ神職と巫女(みこ)、住職らが作業を進めた。
熊野那智大社では1月上旬から鬼面札作りを始めた。同大社の鬼面札は、丸く囲んだしめ縄の中に赤鬼と青鬼を封じ込めた図柄のもの。3代前の篠原四郎元宮司が彫ったホウノキの木版画と、神職が那智の滝から汲み上げた水を使って溶いた墨を用い、縦が35センチ、横45センチの和紙に刷られている。下部左端には朱色の「那智宮印」が押されている。
このほか、モミノキで作った福升(5号升)も用意されている。桃太郎が鬼から受け取った宝物にちなんだ、蓑(みの)、笠、打ち出の小槌(こづち)の絵が外側側面に、「益々繁盛」の文字が内側底面に描かれている。この図柄も篠原元宮司が考案した。節分までに約350個を用意する。
吉田遥紀権禰宜(ごんねぎ)は、今年が終戦80年、阪神淡路大震災から30年の年になることを挙げ「平和や防災など非常に重要な年になってくる。世界の平和や災害ができる限り少なくなるような年に思いをはせながら是非お受けになった皆さんに健康で安全に過ごせるようにご祈念して準備させていただいている」と話した。
那智山青岸渡寺では、1年前から枡の準備を開始。現在は仕上げの作業で、これから追い込みの時期を迎えるという。同時の豆まき用の祝枡は一升枡。熊野産のスギとヒノキを使い、内側側面には、中央に「那智山」の焼き印、その両側に難を滅して服を生む意味を表す「七難即滅」(しちなんそくめつ)と「七福即生」(しちふくそくしょう)の印を押した。外側側面に年号を記して仕上げた。
髙木亮英住職は「今年は巳年ということで飛躍の年。今年1年が心豊かな年であることを願って枡づくりに精進しています」と語った。