「漁獲量ヘビーな年に」
はえ縄漁業による生鮮マグロの水揚げ量が国内有数を誇る、那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で4日、令和7年初市が開かれた。
紀伊半島沖で操業していた高知県、徳島県、沖縄県の県外3県と町内の漁船5隻がメバチ、キハダ、ビンチョウマグロなど東沖および近海で獲れたマグロ計約40トン、約2442匹を勝浦漁港に水揚げ。仲買人が集まり、市場は今年初の入札に活気づいていた。
入札前には式典を開催し、市場開設者の那智勝浦町の堀順一郎町長があいさつ。「今年は大きな災害もなく、穏やかな年明けを迎えられることとなりました。本年も漁業者の皆さまが水揚げされた生マグロを市場から売り出し、全国世界の方々に味わっていただけることを願っております」とあいさつ。続けて「今日の初市に多くのマグロを水揚げしていただいた漁業者をはじめ市場関係者の皆さまに感謝したい。今年も勝浦漁港をどうかよろしくお願いします」と締めくくった。その後、関係者で鏡開きを行い、今年一年の門出を祝った。
入札が始まると、仲買人がズラリと並んだマグロの尾の切り口や腹などの肉質を確認。落札されたマグロは箱に氷詰めされ、関東、関西をはじめ各地に出荷された。
勝浦市場の太田直久市場長は「今年の漁獲量は昨年と比べると少ないが例年並み。水揚げされたマグロの中でも、紀州勝浦産生マグロとしてブランド化されている『さくらびんちょう』は脂の乗りが良いため、水揚げを楽しみにされている観光客の皆さまにぜひ食べてもらいたい」と話した。また、今年の目標については「今年の干支(えと)である蛇に合わせて、漁獲量がヘビーな年になれば」と笑顔で語った。