将来の発生が予想される南海トラフ地震への備えとして、紀宝町が整備を進めていた井田地区の津波避難タワーが完成し22日、現地で竣工(しゅんこう)式が行われた。向井美樹也町長ら関係者約50人が出席し、テープカットで完成を祝った。
同町の津波避難タワーは、井田の道の駅ウミガメ公園敷地内の円筒形タワーと、鵜殿地区(1組・2組)の2基に続き、今回が4基目。建設場所は旧国道沿いの茶屋地地区。鉄骨造りで、避難階は海抜14メートル、屋上は約18メートルの高さがある。避難スペースは約100人が収容でき、多目的簡易トイレなどを設置し、食料や毛布なども備蓄している。高齢者や車椅子利用者に配慮し、階段とスロープを併設している。事業費は約1億1500万円。
同町では南海トラフ地震により、最大11メートルの津波が沿岸部に7分以内で到達すると想定されている。タワー整備は地域住民とのワークショップを通じて官民一体となって進められ、広い階段やスロープ、夜間や悪天候にも対応できる照明設備など、住民の要望が反映されている。
竣工式で向井町長は「町民が安心して暮らせる環境を整えることは最重要課題。タワーは防災対策の象徴であり、一人でも多くの命を守る最後の砦となる。平時から防災学習や訓練の拠点として活用し、防災意識の向上につなげてほしい」とあいさつした。
井田区区長で、茶屋地自主防災会会長の濱地源博さんは「地区内でも避難に時間がかかる地域なので、完成して感激している。自主防災会で備蓄している非常食などを保管して、いざという時に備えたい。今後は地元向けの見学会も計画している」と話した。
なお、同町では、9月に5基目となるタワーが鵜殿地区に完成する予定。
