尾鷲市向井の三重県立熊野古道センターで「紀伊山地のクマノザクラ」が行われている。2月8日(土)まで。
クマノザクラは、紀伊半島南部の三重、和歌山、奈良の3県にまたがる南北90キロ、東西70キロの範囲の山間部を中心に自生している。平成30(2018)年に国内の野生のサクラ属の樹木として約100年ぶりに新種と認定された。
この地域を特徴づける樹木で、今回、同じ3県にまたがる「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年の記念に、一般社団法人日本クマノザクラの会が企画。花や葉の標本、学名記載の論文などとパネル7枚、寺澤秀治さんによる写真10点、クマノザクラの鉢植え、クマノザクラを使った商品などを展示している。
特に、小さな花を付けた枝をアクリル樹脂に閉じ込めたものは、来場者の関心を集めていた。
同会の田尾友児副会長は「多くの人にぜひ知ってもらおうと思い展示を企画した」と話し、多数の来場を呼び掛けている。
2月8日午後1時30分から記念講演会を開く。同会会長で森林総合研究所で、クマノザクラの発見、命名に関わった勝木俊雄さんが「紀伊山地のクマノザクラ」、中村昌幸さんが「クマノザクラの増殖」、田尾副会長が「クマノザクラと市民活動」をテーマにそれぞれ講演する。事前申し込み不要。