新宮市議会総務建設委員会(竹内弥生委員長、7人)が14日、開かれた。上田勝之市長の意向を受けて今年度庁内で新設された「空き家対策室」と「デジタル推進課」の業務内容などについて当局に質問した。
相談や除却に対応
空き家対策室
建設農林部に設置された空き家対策室は、増加する空き家問題への対応強化を目的に、相談窓口を同室に一本化。内容に応じて関係各課と連携しながら対策を進める。主に不良空き家の除却事業を担い、危険な状態にある特定空き家の認定や、所有者への指導・助言などを職員2人で対応する。空き家の利活用については引き続き企画調整課が担当する。
上田市長は「すでに危険な空き家は除却を促し、不良空き家とならないよう所有者への注意喚起を図る。住民の要望に対応しつつ進めていきたい」と述べた。加古坂嘉隆室長は「特定空き家に認定された場合は、まず所有者への働きかけを行い、指導や勧告を経て、最終的には行政代執行も視野に入れる。補助制度の活用を促しながら進めたい」と説明した。
一方で、代執行の判断基準の難しさを指摘する声もあり、当局は「具体的な運用は今後の課題。組織として検討を重ねていく」と答えた。
空き家の活用に関する意見もあった。榎本鉄也委員は「ポジティブに考えれば、空き家はまちづくりに生かせるポテンシャルがある。市が譲り受けてリフォームし、移住定住や宿泊施設として活用する方法もある」と提案。竹内委員長も「貸したいが改修費用を負担できない所有者も多い。除却を含め対応は大変だが、前向きに進めてほしい」と述べた。
このほか、解体費用や固定資産税、耐震性、所有者不在物件への対応など課題も多く挙げられた。当局は「すぐに解決する問題ではないが、新組織の設置を第一歩に、職員一丸となって課題解決に取り組む」とし、空き家対策を市の活性化につなげる考えを示した。
DXで業務効率化へ
デジタル推進課
デジタル推進課は、デジタル改革係と情報管理係で構成され、職員7人体制。庁内のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進と情報システムの管理運営、セキュリティ事業などを行う。
上野貴由課長が業務概要を説明した。デジタル改革係は、行政手続きのオンライン化やペーパーレス化など庁内業務の効率化を進め、市民の利便性向上を図る。情報管理係はシステムの運用や情報セキュリティ対策を担い、安全なデジタル基盤の整備を進める。
福田讓委員からは、デジタル化による行財政改革の中で、人員削減の効果を問う声が上がった。市は「機械でできる業務はデジタルに任せ、制度設計や市民対応などは人が担う。労働人口の減少が進む中、デジタル化は不可欠だが、直ちに人員削減につながるものではない」と説明した。
また、ペーパーレス化やクラウド活用による情報共有の推進、災害時対応への活用なども議論された。上田市長は「まずはペーパーレス化を進め、資料をタブレットで共有することで経費削減につなげたい。デジタルを手段として活用し、人は考える業務に注力することで市民サービスの向上につなげる」と述べた。
一方で、高齢者などデジタルに不慣れな層への配慮やマイナンバーカードなどのセキュリティ面への不安を指摘する意見もあり、市は「デジタルから取り残される人の対応は重要。丁寧に進めていく」とした。
