この地で記者になり丸4年が経つ。
北海道出身で就職のためにここへ来たという自己紹介をすると、大概いただくのが「なぜ」という問い。実は自分の中に明確な回答がないことに最近気が付いた。
地方新聞の記者になりたくて、札幌のハローワークで検索し、ご縁をいただいた。これはあくまで経緯であり理由ではない。地方ならどこでもよかったのかと聞かれれば、そうである気もするし、最後はここにこだわった気もする。
なぜ地方紙の記者か、という問いには、文章を使う、人と会う、何かを伝えるという3つの柱を軸に考えた結果だ、と答えてきた。しかしこれも理路整然としすぎていて、自分の中のわけの分からないカオスな原動力を含むことができていない。
だからこの道は、自分が選んだようであり、状況が勝手に結果を作り出しただけのようでもある。ただ今恐ろしいのは、”記者”だの”若手”だの、そういうラベルにどこかで安心感を覚えていることだ。そんな固定観念から距離を取って何者でもない自分に立ち返ることで、ようやく現在を問うスタートラインに立てるように思う。
【稜】