記者の仕事をしていると、取材先に知人や身内がいることも少なくない。わが子が小さいころは、学校やイベント会場でカメラを向けると、笑顔でピースしてくれていたが、成長するにつれて撮られるのを嫌がって、隠れたりそっぽを向いたり。また「お母さんが取材しに来るから」との理由で、学校の予定を教えてくれなかったりする。
現在、小学6年生のわが子の将来の夢について知る機会があった。「優しくて元気な人になりたい」と記している。「素晴らしい」と感心する。続けて「例えば記者や看護師。明るく接して、インタビューもしてみたい」と書いてある。一瞬目を疑った。
あんなに誰よりも、質問されたり写真を撮られたりすることを嫌がっているのに。最近では、ギャラ(出演料)まで請求してくる始末なのに。明確な夢がなくて仕方なく書いたのかもしれないが、少しでも記者の仕事に興味を持ってくれたのかもしれないとうれしくなった。
間もなく小学校の卒業式を迎える。お祝いに何か、喜ぶものでも買ってあげようかな。PS5(ゲーム機)は高すぎて無理だけど。
【織】