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紀南抄「黄砂に吹かれて」

 春先の風物詩ともいえる黄砂が、今年も海を渡って日本列島に飛来してきた。洗濯物や車に付着したり、視界不良など日常生活に影響を与えるほか、花粉シーズンの今は健康被害にも注意が必要。
 
 空気中で黄砂と花粉がぶつかると、花粉が傷ついて破裂。アレルギー物質をたくさん放出するため、より症状が強くなるという。また黄砂は、花粉に比べて粒子が小さいので、気管支まで到達することで気管支ぜんそくを発症したり、症状が悪化したりすることも。脳梗塞や循環器疾患の増加と関連があるという報告もある。
 
 太古から存在する黄砂だが、近年は単なる自然現象ではなく、森林減少や砂漠化、大気汚染物質の吸着などの人為的影響による側面も持った環境問題として認識が高まっている。海洋への降下により、生態系にも影響を及ぼしているという。
 
 黄砂のピークで、平成元年に発売された女性歌手のあのヒット曲を聞きたくなるという人が続出らしい。失恋した女性が黄砂の吹く街を傷心旅行するという異国情緒あふれる曲。発売当時は今のように黄砂が悪者でなかったのだろう。
 
【織】

      4月15日の記事

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