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紀南抄「里山の危機」

 国立環境研究所が驚愕の調査結果を発表した。太陽光発電による土地改変の実態を明らかにするため、出力0.5メガワット以上の発電容量を持つ国内の太陽光発電所を地図化し、規模や分布の特徴をまとめたもの。国内の0.5メガワット以上の太陽光発電所は8725か所で、いわゆる里山と定義される環境に建設されているケースが多いことが分かったという。
 
 2012年にスタートした「再生可能エネルギーの固定買取価格制度」以降、国内で急速に広まった太陽光発電。低炭素電源として期待される一方、設置方法によってはその場所の生物・生態系・水環境など、周辺自然環境への悪影響も懸念されている。
 
 里山は工業化や産業化、土地開発、林業の衰退、地方の過疎化などによって放置されてきた。その結果、自然と人間との関係性に共生のバランスが崩れ、荒廃が進みさまざまな弊害(獣害や土砂災害)をもたらしている。
 
 水や空気は、里山や森林が機能して育まれる。有形無形のさまざまな価値を持つ貴重な里山を、経済的な側面だけで役割を図り、消耗品のように切り捨てる…いかがなものか?
 
【茂】

      4月20日の記事

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