• 本日の新聞広告
  • 17時更新
    三重 東紀州ニュース
  • 17時更新
    和歌山 紀南地方ニュース
  • イベント情報

紀南抄「鉄眼禅師の生涯に学ぶ」

 仏教を広めるために一切経の出版を思い立ち、自ら版木づくりの資金を求めて全国行脚した鉄眼禅師(道光)がいる。着手から10年目で一切経(6956巻)の版木をつくりあげた。「鉄眼版一切経版木」は重要無形文化財に指定されている。経典を全部書写するとなると、国家行事でなければできない話。そこで鉄眼は木版に彫ることを決意する。完成すれば何部でも増刷でき、庶民に安価で手渡すことができる。

 完成した版木は6万枚。横82センチ、縦26センチ、厚さ1.8センチの桜版。この表裏に「20文字×10行左右見開き=400文字」で、文字が刻まれている。原稿用紙のルーツになっているのが、この版木。書体は明朝体でこれも「明朝体」のルーツと言われている。今、この版木を製作すると30億円を優に超えるという。
 
 しかし、鉄眼の偉大さは、大阪地方の大洪水、近畿地方の大飢饉が起こった時、多くの人が苦しむのを見て、集めた資金を一度ならず二度までも投げ出していることだ。
 
 有事の現今、彼の生涯に学ぶことは多い。
 
【茂】
 

      紀南紗

      最新記事

      太平洋新聞 電子版 お申込み
      ご購読申し込み月は無料
      ※イベント中止および延期となる場合がございますので、詳細は主催者へ直接ご確認頂きますようお願い申し上げます。

      ニュースカレンダー

      速報記事をLINEでお知らせ 友だち追加

      お知らせ