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紀南抄「正常性バイアスの危険性」

 米国のワシントン・ポスト紙が、「和歌山モデル」と呼ばれている新型コロナウイルス対策を絶賛している。「一つの自治体が中央政府の方針を破り、独自の検査基準を採用して果敢な封じ込めに動いた結果、この世界的なパンデミックとの戦いに勝利したのだ」と結論付けている。「とはいえ、和歌山の警戒感が解けるのはまだ早すぎる」と警鐘を鳴らす。

 世界保健機構(WHO)が世界的大流行を意味する「パンデミック」と宣言。今まさに、平時ではないという意識が必要。予期しない事態に対峙した際に、「ありえない」「考えたくない」という心理状況に陥りやすい人間の特性のことを「正常性バイアス」と心理学用語で呼ばれる。これは、「危険な状態」と判断すべき事象を「大きな問題ではない」と誤認してしまう人間の防御作用の一種。

 防災訓練を何度も行うこの地。今こそ、その訓練を生かす時だ。自助=自らが感染しないための対策、共助=他人に感染させないための対策、公助=一番遅れる対策との認識を思い起こし、自らと他人の生命を守る。

【茂】

      紀南紗

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