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紀南抄「時間が過ぎるのは早い」

 「一年の計は元旦にあり」。新しく迎える一年の目標や計画は、その年の初めの元旦に立てるべきである…という意味だが、この1年間にやるべき計画を立てられましたか。

 「光陰矢の如し」という言葉もある通り、昨年1月のことが昨日のように思い起こされる。時間が経つのは本当に早い。特に大人になってからの時の流れの早さに憂いたくなるほどだ。

 19世紀の哲学者ポール・ジャネーは、「時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」と唱える「ジャネーの法則」がある。これにしたがえば、80歳まで生きる場合、1歳の1年が365日なのに対し、40歳の1年はわずか9日。体感的には19歳で人生の半分を終えていることになる。つまり、生きてきた年数によって1年の相対的な長さがどんどん小さくなることに。年をとると、「時間が過ぎるのは早い」と感じるのは、この理由から。

 時間は有限であり、止めることができない。今年1年、後悔することがないよう、一日一日を大切に丁寧に生き、全ては無理だとしても、何かひとつは成し得たという1年に挑戦したい。

【茂】

      紀南紗

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