新宮市の初代名誉市民で文豪・佐藤春夫をしのぶ「筆供養」が文化の日に行われた。今回で60回目。新宮高校書道部だった私も、はるか昔に参加した。当時は、旧市民会館玄関前に建立されていた筆塚で営まれていた。書道の上達を願ったと思うのだが、今のノートの走り書きは見るに耐えない。
書道は小学校の時に習っており、いやいやながら友達と通っていた。その割に、よく賞をもらったり毎月発行の小さな冊子に掲載してもらったりしていた。中学校に入る前に辞めて、高校で再び書道部に。習ったことがない行書に大苦戦した。
大人になってからも数年間、少人数の教室で教えてもらっていた。すると今度は草書やかな書道などが出てきて、毎回悪戦苦闘していた。時々冊子に載せてもらったりもしたが、足を骨折して正座ができなくなり辞めてしまった。
今は仕事や家事が忙しくて、心落ち着いて書に集中して取り組む時間はない。わが子の書いた下手くそな習字を見て、ふと直したい衝動にかられた。10年以上ぶりに開いた書道セットはカビが生えていた。
【織】
