あまりに暑いので川に泳ぎに行った。と言っても泳げないので、足を水につけただけ。それでも涼しい川風を感じながら、ひんやり冷たい水に足を浸していると、ひととき暑さを忘れることができた。
しばらくして、何かが足に当たる感覚があった。川の中を見てみると、小さい魚がツンツンつついている。子どもの頃に、祖母の家の近くの川でメダカを獲って遊んでいたことを懐かしく思い出しながら眺めていた。
しばらく観察していたが、子ども頃の記憶のメダカと何か違う。確かもっと透明で、目も大きかった。疑問に思ってネットで調べてみると、今目の前にいる魚は多分メダカのようだけれど、私がメダカと思っていたのは、これとは絶対に違うという確信に変わった。あれはきっと何か別の魚の稚魚だったのだろうと。
記憶というのはあいまいなもので、補正や美化されることも多い。しかしどうしても自分の記憶に自信があったので、妹に画像を送って確認してみたところ、「こんなんやった」と返事。あえなく撃沈したものの納得いかず、現地確認を約束した。
【織】
