新宮市立医療センターの入院患者の食事提供業者が10月以降変更となり、これまでの院内厨房での調理から、京都のセントラルキッチンから毎日冷凍状態で運ばれるようになるという。
セントラルキッチンとは、1か所で集中して大量に調理をするシステムで、チェーン展開の飲食店やファミリーレストランなどで導入されている。身近なところでは、自治体の学校給食センターがこれに相当する。
大量発注による仕入れの値下げ、労働時間や人件費の削減、味のクオリティや量の安定化などメリットが多い一方、新鮮さや手作り感の減少、個別対応の難しさ、食中毒や異物混入発生時の被害拡大などのデメリットもある。
入院患者にとって食事は治療の一環であり、バランスよく栄養を摂取すると同時に、楽しみのひとつでもある。何度か入院したことがあるが、することがなくベッドの上で寝ていると、食事の時間が本当に待ち遠しかった。院内調理でも冷凍配送でも、コストや安全面なども含めて、安心しておいしい食事が提供できるように新たな事業者と調整してほしいと思う。
【織】
