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紀南抄「雨」

 雨は好きだ。守られている気持ちになる。

 カフェや飲食店などでは角の席が好きなのだが、それと似ている気がする。角の席は2つの面を壁で囲われていることで守られている気持ちになる。梅雨時期に傘をさして歩いていると、まるで空から降る雨がその粒と音であらゆるものをさえぎりってくれるようだ。まちのすべてが角の席になる。

 生まれ育った北海道には梅雨がなかった。だからニュースや人の話で雨の降り止まない梅雨の時期があるのだということを聞くと、そんなことが本当にあるのだろうかと、まるで異国のおとぎ話を聞いているかのような気持ちだった。

 だから当地方で梅雨入りを迎える時は、どこかワクワクする。あの空想していた世界に、まさに今自分が入り込んでいるのだ。天上から降る雨が続くとは、なんと不思議で豊かなことだろうか。

 雨と同じくらい、雨上がりも好きである。水を帯びたまち全体、森全体が日の光に照らされ、つやつやと輝いて見える。晴れ間に少し高揚する。時に虹もかかる。雨がなければ雨上がりもない。ずっと晴れているよりよっぽどいい。      

【稜】

      紀南紗

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