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紀南抄「冷たい優しさ」

 先日、若手職員の多い施設で、みんなニコニコしていて人当たりが良いのでそのことを管理職に言うと、「いい子すぎる。もう少し元気がほしいんですけどね」と返ってきた。

 近年は、子どもや若い世代に厳しくできない時代になったと聞く。象徴的なのは、何かあればすぐ「パワハラ」と言われてしまうのでは、という危機感である。ハラスメントは、受けた側がそう思った時点で成立するという特性上、上司や部下でも互いに空気を察し合う空中戦も起こりやすい。

 しかし、「厳しくできない」というのは表面上のことで、根本的な問題点はコミュニケーション不足なのではないか。子どもを見る環境はずいぶん変わった。「ドラえもん」では、空き地の隣に叱ってくれる雷おやじがいて、「ちびまる子ちゃん」には、親とのいざこざがあればおじいちゃんの友蔵という逃げ場があった。しかしだんだんと、親族や地域が共同体として子育てをする風習はなくなり、大人と子どもが接する時間が短くなってしまった。

 時代は「温かい厳しさ」から「冷たい優しさ」へ。大人にこそ対話する姿勢が求められる。

【稜】

      紀南紗

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