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紀南抄「住民と直接会話を」

 田辺市の真砂充敏市長が先日、本宮町の土河屋地区を訪れた。真砂市長は弁が達者ではっきりとした受け答えをすることが印象的で、山村地域の課題と改善の方針を先に示した上で意見を聞き、できること、できないこと、できるけど時間がかかることなどをその場で回答していった。住民は「選挙が終わったあとも市長がこうして来てくれるのはいい」と話していた。
 
 行政からしたら厳しい意見や理不尽な要求を突きつけられることもあるかもしれないが、それでも住民の「熱」を肌で感じることは良い機会になるかと思う。執行機関を追求する機会として議会があるが、そこでは規模の大きな話が多い。土河屋で出た住民たちの声は、非常にリアルな、目の前の生活に直結する「生きた」ものだった。
 
 また、住民で「役所の人と顔を合わせて話せるのがうれしい」とした人がいた。普段は電話などで名前を言われるが、実際はどんな人が対応してくれているのかわからないため、直接会えるのがよかったみたいだ。会ってみて好感を抱くこともあるかと思う。
 
 各自治体で少人数地域などの住民と対話を図る機会が設けられてほしいと思った。
 
【稜】

      紀南紗

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