高校生に医療従事者を将来の選択肢に加えてもらおうと、三重県は4日、御浜町阿田和の紀南病院で見学会を開いた。高田高校(津市一身田町)と近大附属新宮高校から医学部志望の3年生32人を招き、院内の見学や防護服の試着など貴重な体験を提供した。
紀南病院の担当者は、新型の感染症が発生した際、体温がこもりやすい防護服を何時間も着たり、おむつを履いて対応に当たったりするといった、医療現場の厳しさを冒頭から紹介。高校生らは防護服を着ると、「暑い」「息が苦しい」などと漏(も)らしていた。担当者は重ねて、「きつくても、人と関わる医療は魅力的。興味を持ってもらうきっかけにしてほしい」と話した。
特別に屋上のヘリポートを公開し、「場合によっては他院に協力を仰ぐこともある。その際はヘリコプターがここに着陸して、患者を搬送する」と説明。地域医療の基本である助け合いの精神を強調した。
高田高の石倉佳歩さん(17)、小林纏さん(17)、森田音色さん(18)は「改めて医療に興味を持てた。苦労を乗り越えて、自分から進んで行動できる医師になりたい」と感想を述べた。
県は毎年、「みえ地域医療メディカルスクール」と銘打ち、同院を含めた県内の各病院で見学の機会を設けている。参加者が医学部に進学するケースも多いという。近大新宮高から参加した3人のうちの1人、谷野礼弥さん(17)は「医師になりたい気持ちが起きた。受験勉強を進めて、志望校に合格したい」と意欲を示した。
