紀宝町立相野谷中学校で地震と津波を想定した避難訓練があり、生徒と教職員が近くの高台に走って避難した。中学生と一緒になって坂道を駆け上がると、途中で息が切れて足が思うように進まない。マスクをしているので余計に疲れるし暑いし、高台に着いたころには汗だくになっていた。
同中学校は比較的内陸の海抜の高いところにあるため、津波は来ないかもしれない。しかし想定外の被害が出る恐れもあるので、高台に住んでいるからといって安心はできない。また、地震が起こったその時、海岸沿いや川の近くにいる可能性もある。大きな揺れを感じたらすぐ高台へ、という常日頃からの心構えがあればすぐに行動できる。実際の避難の際は、疲れたなどと言ってはいられない。
私たちは10年前の紀伊半島大水害を経験し、その年の東日本大震災を目の当たりにしている。年月が経つにつれ、これらの大災害を知らない子も増えてきた。幸いにして映像や写真がたくさん残っている。目で見て被災者の話を聞いて、風化させることなく防災意識を高めることが、命を守ることにつながる。
【織】