• 2024年人事異動
  • 本日の新聞広告
  • 17時更新
    三重 東紀州ニュース
  • 17時更新
    和歌山 紀南地方ニュース
  • イベント情報

紀南抄「クジラが結ぶ縁」

 最近、太地町に訪れることが多い。燈明崎や梶取崎など風光明媚な場所が点在する。実は太地町と大阪にはクジラにまつわる興味深い接点がある。
 
 大阪にはたいへん珍しい橋がある。どうして珍しいかといえば、その橋はクジラの骨でできているからだ。大阪市東淀川区の瑞光寺という寺にその橋がある。なぜクジラの骨なのか。
 
 1754(宝暦4)年、当寺の潭住(たんじゅう)禅師が紀伊国(和歌山県)の太地を訪れたとき、漁民たちはクジラが不漁で、たいへん困っていた。そこで覚右衛門村長が潭住に豊漁祈願を依頼した。殺生は五戒の一つであると断っていた潭住も、苦しんでいる漁民を見かね、豊漁を祈願したところ、一夜にしてたくさんのクジラがとれた。そこで漁民たちは潭住にクジラの骨とお金を贈った。
 
 それでつくったのがその橋の起源である。橋板から欄干まですべてクジラの骨でつくられ、その骨の雪のような白さから「雪鯨橋」(せつげいきょう)と名づけられた。
 
 現在のものは6代目で、橋板は石になったが、欄干にはクジラの骨が使われている。雪鯨橋はクジラ橋とも呼ばれている。
 
【茂】

      紀南紗

      最新記事

      太平洋新聞 電子版 お申込み
      ご購読申し込み月は無料
      ※イベント中止および延期となる場合がございますので、詳細は主催者へ直接ご確認頂きますようお願い申し上げます。

      ニュースカレンダー

      速報記事をLINEでお知らせ 友だち追加

      お知らせ