11月は児童虐待防止推進月間で、その象徴として近年、オレンジリボン運動が各地で広がっている。この運動は2004年に栃木県で子どもが虐待を受けて命を奪われた事件をきっかけに始まった。
新宮市立城南中学校では、育友会人権部が6年前から、このオレンジリボンを手作りし、生徒に配布している。生徒らは月間中に制服に取り付けるとともに、人権学習の一環として、児童虐待について現状や対策などを学ぶカリキュラムを学年ごとに実施。こうした学習を通して人権意識を高めており、一連の取り組みは県教委からも注目されているという。
一方で、児童虐待の認知件数は増加傾向にある。和歌山県内でも年間1200件程度あるという。社会の変化とともに子育て支援の充実は図られるべきだが、自治体によって格差があり、保護者の負担が軽減されず、結果として虐待に至ってしまうケースも少なくない。
虐待は絶対にだめという意識を子どものころから正しく認識させることで、将来的に虐待の数は減少に転じるはず。城南中のような取り組みが各校に広がり、地域全体で「虐待NO」を示すようになれば。
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