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紀南抄「コロナ禍でも祭りの本義伝える」

 新宮市の世界遺産・熊野速玉大社の例大祭が10月15、16の両日、斎行(さいこう)される。紀南地方最大の秋まつりとも称され、毎年全国から大勢の参列者が訪れるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一般参列をなくし、神社関係者と祭典奉仕者のみで行う。先日の事故防止協議会で正式決定した。

 これに伴い、2日目の「御船祭」のハイライトとなる「早船競漕」も今年は取りやめに。市内9つの出船区の関係者に事前に意見聴取行う中で、やはり練習から本番まで、いわゆる密状態を回避することは難しく、今年はやむなくという判断になった。

 神輿(みこし)も例年であれば神社を出発したあと、商店街をはじめ市内街路を練り歩いて盛り上げるが、今年はすぐに熊野河原へ降りる。担ぎ手も15人程度までに限定するため、小さな神輿を使用することになった。

 それでも関係者は伝統の祭りを厳粛にそして無事に行うため、事前の準備から当日の運営まで集中する。特に今年は感染防止への意識も持つ必要があり、労力はいつも以上になる。上野顯宮司はコロナ禍でも祭りの本義をしっかり伝えたいと話している。

【F】

      紀南紗

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