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紀南抄「どんでん返しで落胆」

 度肝を抜かれた。新宮市議会の臨時会で飲食店等に10万円給付するとしていた対策が「公平性が保てない」との理由で、令和2年度一般会計補正予算案は4月28日、飲食店等の支援にあてる5260万円を削除した修正案で可決されたからだ。
 
 市は4月24日、新型コロナウイルス感染拡大対策として市独自の「経済支援策」として、売り上げ減少など大きな影響を受けている市内飲食店等には定額10万円を給付すると発表していた。これに喜んでいた飲食店等は、どれほど落胆しただろうか。まさかのどんでん返し。
 
 認められなかった理由として「公平性が保てない」としている。では、水道料金5月請求分(4月検針分)の全額免除は公平性を担保できているのか。事業者は数十万円、一般世帯では数千円と使用料に大きな差がある。公平性を云々するなら、なぜこちらは認めたのか。理解に苦しむ。
 
 市民からも挫折感と憤りの声が上がっている。佐野在住の女性は、「私たちが家庭で使用する水道料金は1万円に及ばない。これで公平とは信じがたい」と訴えていた。

【茂】

      紀南紗

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