県によると、イノシシの捕獲頭数は増加しているものの、農業被害額は減少傾向にないという。県内では昨年来、野生イノシシのCSF(豚コレラ)感染が拡大しており、感染拡大を抑えるためにも捕獲強化が必要といえる。そこで県は、第二種特定鳥獣管理計画を変更し、従来の有害鳥獣捕獲に加え、県が主体となった指定管理鳥獣捕獲等事業を進める方針。実施するために、計画変更案について意見を公募している。
CSFは幸い東紀州地域には広がっていない。とはいえ、山はつながっている。イノシシの縄張りが重なりあっていて、順次感染が広がる可能性も否定できない。
イノシシ害については、商売でやっている農場ではコスト高・収入減に直結するし、家庭菜園レベルでも、作物を育てるのを止める人が増えるとそこが荒れ地になる。下手をすると獣が入る区画を拡大してしまう。
かなり前に獣害対策講座で、生息域を広げないことが重要という話を聞いた。日夜イノシシ対策に頭を悩ませている人には当然のことだろうが、そうでない人の協力も必要。地域一丸となった取り組みができるような仕組み作りがいよいよ急務だろう。
(M)