生まれ育ったまちには、小さな花火大会があり、昔はよく家族と見に行った。ジュースやお菓子を詰め込んだ赤い保冷バッグのことはよく思い出せる。
中学生になったあたりで家族とは行かなくなり、親元を離れてからは足を運ぶこともなくなり、いつの間にか大会自体がなくなった。それでも、毎年夏になると、故郷の空に上がった花火を思い返す。
海山の夏祭りKODOは元々、引本港でいかだレースや海上遊覧などのアクティビティを楽しむ企画がチャームポイントだった。コロナ禍で通常開催を断念せざるを得なくなり、その代替企画として花火を打ち上げてから、ステージイベントと打ち上げ花火へと形を変えた。
大阪の天神祭奉納花火や北九州の関門海峡花火大会など人出が100万人を超えるとも言われる花火大会はすばらしいが、その一方で、地域の住民による花火大会の存在意義も大きい。見ていた子どもたちが成長して地元を離れても、夏が来る度に故郷を思い出す、そんな記憶の鍵になり得るイベントでもある。
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