相賀地区の浸水対策は紀北町の防災上の懸案事項の一つで、被害軽減のための汐ノ津呂排水機場の改修工事の概略設計が示された。ポンプが1基増設され、排水能力は倍以上となる。平成26年の災害対策計画では、過去の記録的な水害に対応するためには現在の5倍の能力が必要との試算があるが、尾上壽一町長は「記録的な豪雨に対応しようとすると莫大な予算がかかる」と説明している。ポンプは潮南中グラウンドの隣に増設される予定。
潮南中はクロスロードやタウンウオッチング、HUGと学校全体で防災教育に熱心に取り組んでいる。学習内容も立派だが、「町が高齢化しているからこそ、僕たちが積極的に防災で役に立ちたい」という生徒の言葉こそ、地域と連携してきた防災学習の成果だろう。
現実問題として想定される災害規模とハードとして備えることが可能な対応能力の限界には差があり、それを補うために避難計画や訓練が必要だ。環境の変化による災害激甚化を含め、学校の隣に増設されるポンプは、防災教育の素材として非常に有用ではないか。防災学習の一環として、住民説明会ならぬ〝生徒説明会〟を企画してみてはどうか。
(R)