有名人が自殺したとみられるとのニュースが相次いでいる。中にはドラマや映画で馴染み深い人もいて、少なからずショックを受けている人もいるのではないかと思う。
厚生労働省はホームページで、世界保健機関(WHO)がメディア関係者への基礎知識として発表した「自殺に関する迷信と事実」を紹介している。
それによると、自殺は単一の要因や出来事から生じた結果ではなく、要因は多様かつ複雑なことが多いという。「自殺を考えている人は死ぬ決心をしている」というものでもなく、「生きたい」と「死にたい」という気持ちで揺れ動いていることが多い。ずっと自殺したいと思い続けるわけではなく、その時の状況に依存するもので、長く継続するものではない。
自殺について語ることはよくない、というのも迷信。自殺以外の選択肢や決心を考え直す時間を与えることになり、結果として自殺を防ぐことにつながるという。
国内の自殺死亡率は平成10年からは低下しているものの、主要7か国の中では最も高い。さらに、未成年の自殺死亡率は減少傾向になく、20、30代の死因第1位が自殺。あらめて、異常で深刻な状況だと気付かされる。
(R)