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社説「新たな挑戦に水差す質疑」

 5日に開会した新宮市議会12月定例会本会議での質疑で、議員同士の感情論によって市民の果敢なチャレンジに水を差す、そのように受け取れる場面があった。
 
 当局が提案した、高田グリーンランドの運営をはじめとした4施設の指定管理者について、審査選定委員会で決定した候補予定者に同意(議決)を求める案件に関して、複数の議員から質疑があった。
 
 今回の高田関連の4施設は、40年以上にわたり現在の指定管理者の外郭団体が運営。5年前の公募では申し込みが同団体1件だったが、今回の公募では同団体含む3団体・事業者から申し込みがあり、市当局4人、民間2人の計6人で構成する審査選定委員会でそれぞれがプレゼンテーションを行い、利用者の平等な利用の確保やサービス向上、施設管理を安定して行う能力など4項目で採点の結果、合計点で最も高い新たな事業者が候補予定者となった。
 
 質疑では、現在の管理者が長年かけて培った地区との信頼関係が崩れないかを不安視したり、候補予定者が現職議員の2親等以内(親子関係)であることを政治倫理条例上で問題はないかと指摘したりする声が上がった。
 
 新宮市の政治倫理条例は、令和3年の3月定例会で議員発案により全会一致で可決した。当時、2親等まで含めるかどうかの議論はあったものの、縛りを厳しくし過ぎると、議員のなり手不足につながるおそれがあるとして、議員本人のみを対象とすることを決めた。今回質疑に立った中には当時から在職している議員もおり、条例制定に至った経緯や中身についても当然理解しているはずだ。
 
 この条例に照らすと、今回の案件が抵触しないのは明らかで、倫理条例を出して候補内定者を疑問視する声に対して、ある議員は「全くの誤認識で、恣意的に言っているとしか思えない。憤りを感じる」と発言。また、別の議員は「やる気のある事業者にどんどん頑張ってもらい、交流人口を増やしてほしい」と取り組みに期待を寄せた。
 
 候補予定者の事業計画では、オープンカフェや青少年育成事業の開催など新たな取り組みがあるほか、現従業員を継続して雇用し、地区とのつながりもこれまで同様に重視した内容という。
 
 今回、このような質疑が出たことには、当局の答弁が力強さに欠けたのも一因。当局が決意を示し、新たなものに果敢に挑戦していくことが新宮市の発展につながるのではないか。

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