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社説「本格的な夏へ 熱中症に注意」

 那智勝浦町議選が6月25日に投開票され、新人4人を含む11人が当選。町民の代表として4年間の議員活動をスタートさせる。町当局との是々非々の議論で、主力産業である観光業の発展、喫緊の課題の防災対策や少子高齢化への対応など、町民サービス向上のために尽力してもらいたい。

 那智勝浦町は2050年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」宣言を令和2年12月、和歌山県内の自治体で最初に行い、昨年11月には副町長を座長とする「ゼロカーボンプロジェクトチーム」を庁内に設置し、有効的な施策を加速度的に進めるよう努めている。具体的には、国の交付金を受けて高効率のエアコンへの買い替えに対し、民間事業者・個人問わず補助金を支給する事業を始める。町民の負担減になるとともに、環境対策をさらに身近に感じてもらう機会になる。また、エアコン販売や取替工事を通して、町内事業者への経済効果にも期待がかかる。7月には町民に向けて案内を行う予定という。町議にはこうした町の先進的な取り組みに理解を深め、次年度以降も国の交付金を継続して受けられるよう、実績向上へ両輪となって取り組む必要がある。
 
 本格的な夏を迎える時期となり、エアコンの買い替えを案内する際には適正利用も併せて周知してほしい。気象変化により以前とは質の違う暑さに見舞われることの多い近年。熱中症対策には万全を期さなければならない。特に高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくく、水分を十分に取ることが難しいのと、心機能や腎機能が低下しがちなため、熱中症になった時の症状がより重篤になりやすい傾向にある。
 
 最近では「夜間熱中症」という言葉も聞かれる。日中よりも気温自体は下がっても、昼間に壁や天井が暖められ、蓄えられた熱が放射熱となり、室温を高くしてしまう。就寝時もエアコンをつけ、体に直接風を当てるのではなく、室内に風の対流を起こさせる扇風機の首振りを活用することで予防策になる。
 
 熱中症対策について、どの自治体にも広報紙等での予防策周知や、公用車を走らせる際にはアナウンスで注意喚起するなど、熱中症患者を出さないための取り組みに努めてもらいたい。
 

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