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社説「少年スポーツ もっと支援を」

 各自治体で発表された新年度予算案を見ると、少子化への対応として、子育て支援に重点を置いた施策が目立つ。「子どもはまちの宝」とのキャッチコピーを掲げる自治体もあるように、子育て世代の負担を軽減する中で、出生数増加につなげたい思惑がある。

 少子化はいろいろな部分で影響しており、その一つにスポーツ少年団や中学校での部活動が挙げられる。特に野球、サッカー、バレーなどの団体競技は、人数不足で単独チームが組めず、近隣同士で合同チームを編成することも珍しくない。また、チーム統合によって自分の住む地区のチームがなくなり、やりたい競技をあきらめざるを得ない状況も生まれた。
 
 那智勝浦町は毎年度、町内のスポ少の活動に補助金を出している。令和4年度は70万円余りの予算で、登録の16団体に対して人数等に応じて分配した。全国大会など上位大会に出場する際には、別途補助金を支給する制度もある。新宮市も各団体に一律で年間1万円の活動補助金を支給しているが、十分な金額ではない。
 
 野球、サッカーともに近年、中学生を対象とした地域のクラブチームの活動が盛んになった。学校の部活動でチーム編成ができないなど諸事情の受け皿としての役割を果たすとともに、整った練習環境や監督・コーチの熱心な指導により、県レベルの各種大会で好成績を収めている。中学卒業後は、それぞれの競技の強豪校に進学し、全国大会出場を目指す生徒も増えている。子育て支援を広く解釈すれば、好きなスポーツに取り組める環境づくりを支援することもあてはまるのではないか。クラブチームに所属すれば、練習会場までの送迎、対外試合や大会出場の際の経費など、保護者の負担は増える。希望する生徒が等しくプレーできるよう、行政には側面からの支援を考えてもらいたい。
 
 一方で、勝利至上主義ではなく、スポーツを楽しんだり、体力づくりに努めたりと地道に活動する団体への支援も大切。コロナ禍で思うような活動ができず、我慢を強いられてきたのは子どもたち。今こそ、子どもたちのために予算を充てるべきではないか。
 
 また、スポーツ合宿や大会誘致にもこれまで以上に積極的に努めてはどうか。那智勝浦町や熊野市はスポーツによる地域振興に力を注いでいるが、新宮市はまだその意識が低いとする声も聞こえる。まずは子どもたちへの支援を手厚くし、そこから既存の競技施設をうまく活用しながら活性化につながる取り組みを考えてもらいたい。
 

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