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社説「地域見つめ、将来考える日に」

 成人年齢を18歳に引き下げた改正民法の施行(2022年4月)から初めての「成人の日」を今月迎え、当地方の自治体ではこれまでの成人式の名称を「二十歳の集い」などに改め、新年早々に開催した。会場内外で久しぶりに顔を合わせた旧友同士が思い出話に花を咲かせる光景を含め、これまでと何ら変わらず、それぞれ決意を胸に新たな一歩を踏み出していた。

 民法改正以降、「成人式」の開催時期ついては決まりがなく、各自治体でそれぞれ判断することとなったが、当地方では、年齢同様に式典を18歳に引き下げて実施するところはなかった。本紙は各会場で取材したが、「新成人」と呼べなくなったため、記事では「今年度20歳を迎える人たち」、もっと短く「若者」などと表現を改めた。

 これまで通り、20歳での式が主流を占める中、三重県伊賀市では、今回「最後の20歳対象の成人式」が行われた。同市は今年3月に19歳、5月に18歳の成人式を開く。3回に分けて開くのは今回限りで、来年からは毎年5月に18歳成人式を続けていく方針。受験や就職活動の時期を避け、5月実施を決めたという。同市の18歳成人式を巡っては、地元の高校生などから20歳での式を望む声が上がり、相当数の反対署名が集まったが、市は方針を変えなかった。

 国の決定事項ではなく、自治体に判断が委ねられたため、どちらが正しいという議論は難しい。来年、「二十歳の集い」の参加者は、すでに新成人として約1年8か月が経過していることになる。民法の改正により、18歳で親の同意なしにクレジットカードの契約などができるようになったが、飲酒や喫煙、競馬などの公営ギャンブルは20歳にならないとできない。「二十歳の集い」は、大人になった「節目」から外れるかもしれないが、社会の一員としてのルールやマナーなど、自覚を新たにする役割は持ち続けるだろう。

 当地方では、多くの若者が高校卒業後に進学や就職で古里を離れる。それでも、式典出席のために古里に戻ってきてくれる。SNS全盛でも、やはり久しぶりの再開は喜ばしいもの。来年以降もこの日が、地域の状況を見つめ、将来を考える日であってほしい。

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