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社説「穏やかな新年を」

 温暖なこの地方には珍しく、今冬は厳しい冷え込みに見舞われている。まだ「真冬」ではないが、真冬並みの寒さが続く。今年初めも雪景色が見られるなど寒かったものの最低気温が連日0度近くになったわけではなかった。
 寒くなると暖房器具を使う機会が増える。当然、火事の危険性が高まる。消防や国民生活センターでは、いわゆる説明書をよく読んで正しく使うよう呼び掛けている。
 よく聞く話としては、ストーブの上に洗濯物を干すケースがある。乾いた洗濯物が何かの拍子にストーブの上に落ち、それが火災の原因となる。
 石油ストーブでは、「火を止めずに灯油を継ぎ足す」という危険な行為をする人がいる。灯油が漏れたり、こぼれたりすると引火してしまう。
 電気製品では転倒やたこ足配線によるプラグや延長コードの過熱が火事の原因になる。高齢者宅ではエアコンを利用するのが安全という話も聞く。
 暖房器具を使うと室内の空気が乾燥する。のどを痛めてウイルスがくっつきやすくなるので、湿度にも気を配ることが大切だ。
 また、室内外の急激な温度変化が原因で起こる「ヒートショック」にも注意が必要。特に入浴時には、脱衣所を温めておくこと、湯の温度を熱くし過ぎないことなど予防策を取りたい。
 今年は、新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、三重県では第8波の最中にある。秋以降行動制限が緩和されているものの、平常の状態には戻っていない。年末年始に向けて、帰省などで人流が一層活発になることが見込まれる。基本的な感染対策の徹底が求められる。
 今年も世の中が大きく変化した年だった。ロシアのウクライナ侵攻によって戦争という非日常が急に身近なものになった。また、侵攻と急激な為替相場の変動を背景に燃油高、物価高となり、家計を圧迫している。一方、地域経済は人口減少も相まって厳しい状態が続く。新年はこれらの懸念が払しょくされることを願いたい。
 今年もあと1週間を残すだけになった。一年間の購読に感謝したい。読者、そして地域の皆さんが、無事に穏やかな新年を迎えられることをお祈りしたい。

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