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社説「花火実施へ 課題解決に協力を」

 300余年の伝統を誇る熊野大花火大会がコロナ禍により3年連続で中止となったことから、代名詞でもある「鬼ヶ城大仕掛け」を担う地元の花火師への支援を目的に、熊野市観光協会が11月上旬に打ち上げ花火を実施することを先日、発表した。花火の財源は、市民や事業所から寄付金を募ることとし、鬼ヶ城大仕掛けができる1200~1300万円を目標とする。

 花火師にとっては苦境の3年間。業者が生き残り、地元の伝統技術を守るためにも今回、観光協会は英断を下した。住民にとっても待望の花火で、早くも期待の声が多く上がっている。記者発表の中で観光協会長は、「尾鷲市の市民花火で1300万円以上の寄付金が集まったことを聞き、熊野市でもできるとのではと思った。開催が11月で、何より冬は空気が澄んでいて、花火がくっきり美しく見られる」と思いを伝えた。感染防止対策については、開催予定の11月は気候的にマスクも苦にならない時期で、日暮れの早さに応じて開始と終了を早めるなどの対策を施すとした。
 
 熊野大花火大会と言えば、紀伊半島最大規模で、各地から見物客が訪れることで知られる。今回、規模短縮といっても、「熊野花火」のブランド力で大勢の集客になることは容易に想像できる。新型コロナウイルスの感染防止対策にばかり意識が向かうが、交通や警備への対策は大きな課題となる。例年なら、何か月も前から主催者と関係機関で会議を開くなど対策に万全を期し、大会当日は市街地への許可車両以外の流入を禁止するなど大規模な交通規制を敷いている。主催者が今後、寄付集めと並行して交通や警備にどの程度対応できるのか、関係機関を含めて"2年間のブランク"が気になるところではある。
 
 7月23日に紀北町で3年ぶりに開かれた「燈籠祭」には約1万8000人(主催者発表)が来場し、周辺では他地方の車のナンバーが目立っていた。6日には尾鷲市で「おわせ市民花火」として約1時間の打ち上げが予定されている。人出や会場周辺の様子などを参考に対応を進めてはどうか。
 
 一方で、見物に訪れる住民側の協力も必要になる。大会開催の決定から実施までの期間が短く、主催者側も例年の実行委員会組織に比べるとマンパワーではるかに劣る。今後、開催日の決定を含め大会規模などの情報が公表されることになるが、住民は地元の伝統技術を守るという開催趣旨を理解し、花火が見られることへの喜びの気持ちで見物に出かけてもらえれば。一人一人がルールを守り、マナーを意識すれば素晴らしい打ち上げ花火になるだろう。
 

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