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社説「通行止め周知 今後の課題に」

 先月28日、新宮市の熊野川河川敷(熊野速玉大社下)で熊野川総合水防演習が行われた。河川氾濫により各地で甚大な被害が出た紀伊半島大水害で得た教訓を未来に継承するため、国土交通省と和歌山、三重の両県、周辺市町村が参加しての大規模なもので熊野川での演習は今回が初めて。新宮川水系(熊野川)河川整備計画を策定し、流域全体であらゆる関係者が協働して行う治水対策を推進することとしており、訓練は関係機関の連携を図るとともに、災害対処能力を向上に向けて意義あるものだった。

 一方で、この演習開催の中で大きな課題もあった。演習の関係で旧熊野大橋(和歌山県側への一方通行)を通行止めとしたため、新熊野大橋をはじめ三重県側の周辺道路で渋滞が発生した。旧熊野大橋が通行できず、新熊野大橋に多くの車が流れた結果で、ピーク時には紀宝トンネルからしばらく先の国道42号飯盛交差点を超え、新宮市内に入るまでに30分程度要した。また、国道42号の渋滞を避けて旧国道(県道紀宝川瀬線)に迂回(うかい)した車も多く、こちらも一時矢渕中学校付近まで長い車列ができていた。紀宝署が周辺道路をパトロールしたが、交通事故などの発生はなく自然渋滞だった。
 
 国土交通省紀南河川国道事務所によると、事前周知に関して、旧熊野大橋の通行止めを予告する立て看板を橋の入り口付近に掲示。紀宝町内の各家庭には5月中旬に回覧板で伝えたという。夜間の通行止めであればこの程度の周知で十分かもしれないが、訓練は土曜日の日中。橋の利用者は紀宝町民だけでなく、もっと広域にわたるため、周知不足だった感は否めない。
 
 紀南河川国道事務所にこの点について尋ねたところ、想定よりも長い渋滞になったことは今後の課題として認識しているとのことだった。ドライバーの側からすれば、事前に分かっていれば余裕をもって出発したり、その時間帯を避けたりすることができる。今回は交通事故の発生や緊急車両の通行に支障を来たすようなことはなかったが、今後は近隣の道路に設置の電光掲示板で繰り返し案内したり、報道機関に周知を依頼したりして、リスク回避を考えてもらいたい。
 

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