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社説「"持ち込ませない"対策 意識して」

 新型コロナウイルス感染症に関して、高齢者へのワクチン接種が当地域でも始まっている。新宮市は25日を皮切りに開始するが、その予約の段階で見込みの甘さから、多くの市民が申し込んだものの接種できない状況に、22日の市議会臨時会で追及を受けた。

 ワクチン接種はコロナ終息への切り札として住民の期待が高いが、国から丸投げされた形の各自治体は接種準備などの負担が増え、ワクチン接種一辺倒の状態。感染拡大はとどまらず、大阪、兵庫、京都、東京には今週末、3度目の緊急事態宣言が発出される見込みで、和歌山県も知事が全県民に外出自粛要請、三重県も4度目の緊急警戒宣言を出すなど、予断を許さない状況。
 
 間もなく大型連休を迎える。昨年のこの時期を振り返ると、新宮市をはじめ周辺自治体は、感染拡大防止のため、地元出身者らに都市部からの帰省自粛を呼び掛けた。新宮市は学生対象に、帰省自粛協力への返礼として米などを贈る支援事業も実施。また、丹鶴ホールなど市内の工事現場では都市部からの従業員も多く働いていることを踏まえ、工事関係者に対して、医療脆弱な地域の特性を伝えた上で、帰省に関して十分な理解と配慮を求めた。こうした取り組みによってこの地域で感染者を出すことなく、乗り切ることができた。
 
 ところが、今年1月には新宮保健所管内の工事現場で働く男性が、年末年始の休暇で都市部に帰省中、感染する事案があった。昨年末は年明けに予定している成人式を開催するかどうかにばかり、市当局も市議会も気を取られ、工事関係者への帰省自粛要請は行わなかった。
 
 感染が急拡大している中にあって、新宮保健所管内では1月以来、感染者の発生はない。市議会臨時会である議員は、年末年始と同じ轍を踏まないよう、市当局はこの大型連休前に"持ち込ませない"ための呼び掛けについて責任を持って行うよう進言した。今まで若者は無症状が多かったが、変異株ウイルスは感染力が強く、若者でも重症化しやすい危険がある。この地域でのクラスター発生はたちまち医療崩壊を招き、住民の安心安全な生活が脅かされかねない。地域住民は昨年から集中力を切らすことなく、感染予防に努めているからこそ、各自治体には、連休前にやるべきことを再度精査し、地域一体となって感染予防に取り組む姿勢を示してもらいたい。
 

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