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社説「節目の一年 駆け抜ける」

 今年も残すところわずか。振り返ると、2025年は節目の年だった。戦後80年が経過し、当時の記憶を語り継ぐ難しさが年々増している。ボランティア元年と言われるきっかけとなった阪神・淡路大震災からは30年。南海トラフ地震をはじめ防災対策は各地で進んでいるものの、まずは自分の命を守る「自助」の意識を持つことが大切だ。平成の大合併で新たに誕生した新宮市、田辺市、串本町、紀宝町、熊野市は今年で20周年を迎え、それぞれ記念行事が続いた。

 新宮市は10月の市長選で、16年ぶりに新たな市長が誕生。上田勝之市長はさまざまな公約を掲げ、短期と中長期で取り組む姿勢を示している。長引く物価高騰で市民の関心は目の前の生活にある。市長には公約以上のものを求め、その動向を注視していきたい。那智勝浦町は防災対策に一層力を注いだ一年となった。大規模災害時の通信手段確保のため、スペースX社が提供する高速衛星インターネットサービス(スターリンク)を導入。老朽化が指摘される庁舎に関しては、新庁舎整備検討委員会を発足させ、6月頃の移転候補地の決定を目指す。勝浦市場前には観光展望を兼ねた津波避難タワーも完成した。
 
 紀宝町は年明けの1月に町長選を控える。現職が今期での引退を表明しており、新たな町長が誕生する。人口が1万人を割る中、どのようなまちづくりを目指すのか注目。御浜町は11月の町議選で新人2人が加わった。柑橘振興をはじめ地域活性化に向け、新たな風が吹くことに期待がかかる。熊野市は10月の市長選で現職の河上敢二市長が6選を果たした。農業振興や滞在型観光の促進を目指すアグリパークの大型事業の動向が気にかかる。
 
 交通情勢は、新宮警察署管内の交通死亡事故が11月末現在で6件7人と多く発生している。これを受け、同署は主要交差点での署員による街頭活動をはじめ、パトカーによる巡回、さらに取り締まりを強化するなど、交通事故防止に向けた取り組みに努めている。年末年始は帰省客や観光客が多く流入し、道に不慣れなドライバーや渋滞の発生が予想されるため、同署は一層気を引き締めた運転を心掛けるよう呼び掛けている。
 
 また、新宮、紀宝、熊野の各警察署管内で特殊詐欺被害も目立った。かつての「オレオレ詐欺」では高齢者が狙われることが大半だったが、昨今の特殊詐欺はSNSを使ったものを含めて手口が多様化しており、被害に遭う人も多世代にわたっている。「自分は大丈夫」と過信することなく、少しでも不審に感じることがあれば、一呼吸おいて家族や警察に相談することが大切。
 
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