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社説「今後のイベントのあり方」

 コロナ禍で3月以降、本紙エリアでもイベントの中止が相次ぎ、緊急事態宣言が解除されたあとも、第2波、第3波への警戒から、3密(密閉・密集・密接)を回避することが難しい秋以降の大きなイベントについても中止の決定がされている。

 その一つが「新宮秋まつり」。新宮市中心部の中央通り(市役所前)を会場に、出演団体がエネルギッシュな創作踊りを披露し、また、伝統の新宮節をアレンジした「お祭り新宮節」で一体感を醸し出す。出演者だけでなく見物客も密状態になることから、感染防止策が徹底できないとして、実行委員会は苦渋の決断をした。夏の花火大会と並び一大イベントの中止を残念がる声もあるが、実行委は来年度の実施に向け、一丸となって準備を進めていくとしている。
 
 今年(本年度)中止になった本紙エリアの主要イベントについて、それぞれの主催者は新宮秋まつりの実行委同様、来年の開催へ意欲を見せている。「今年できなかった分も盛大に」と目論む主催者もいるが、今回の中止をきっかけに、現状を考察し、見直すべき点は見直してはどうか。そうすれば、来年は2年分の思いに新鮮味が加わり、きっと盛り上がるイベントが目白押しになるだろう。
 
 一方で、高齢者らを対象にした地区のサロンなど、人数が限られたイベントは段階的に再開している。外出自粛が長引いたことで一人暮らしの高齢者が体調を崩すケースもあっただけに、こうしたサロンの再開は見守りの観点からも意義のあることだ。高齢者の集まりだけに、主催者は感染防止策の徹底により一層の意識をもたなければならないが、参加者らも自ら対策への意識は強く、人との間隔をとったり、大声で話すのを控えたり、新たな生活様式が浸透していることがうかがえるサロンもある。
 
 いつまでもイベントの中止が続くと、経済活動が前に進まないだけでなく、市民の自粛疲れや健康面での不安も心配になる。主催者としては「感染者を出せない」というプレッシャーはあるが、行政が示す開催基準を順守することで、そのリスクは軽減されるとともに、開催していくことで人々の意識もおのずと高まってくる。一歩ずつ前に進んでいくことが大切だ。
 

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