気象庁は6月1日から短時間で集中的な豪雨をもたらす「線状降水帯」の予測情報の発表を、全国を11地方に分けて始めた。予測精度はまだ十分ではないが、住民に早めに避難の準備をしてもらうことが期待される。それと同じようにインフラの整備も重要ではないだろうか。
住民の避難誘導路や防犯上の観点から、安全確保が必要ではないかと思われる箇所を取り上げる。少しでも改善してほしい。
新宮市神倉4丁目【ハローワーク新宮前道路】
至るところに凹凸が見られる
近くには洪水や地震・津波の指定避難所になっている緑丘中学校がある。この道路、舗装の傷みが激しく、至る所で凹凸(おうとつ)が生じている状況だ。自動車の通行量も多く、また高齢の歩行者も多い。まだ日中は道路の凹凸具合は確認できるが、一転夜になると懐中電灯などの灯(あか)りを照らさないと凹凸が確認できない状態だ。
もし、夜の避難になるとしたら、はたして何人の人が懐中電灯などを持って行動できるのだろうか。近隣住民は、「凹凸につまずき転倒したことがある」と話していた。
夜間になると街灯が少なく暗い
このハローワーク新宮前道路は、国や和歌山県、新宮市が管理するいわゆる国道や県道、市道といった一般の道路ではない。県の東牟婁振興局新宮建設部が管理する「浮島川河川管理用通路」という扱いだ。そのため多くの住民が利用する道路でありながら、お役所の縦割り行政の典型例で、長年舗装の更新・修繕がなされていない。市街地にありながら道路管理の空白地帯のような箇所になってしまって放置されているのが現状だ。また新宮市では防犯灯は町内会が設置することになっているため、この道路は町内会の境界付近ということもあって防犯灯の設置がない区間もある。
せめて道路の凹凸を改善し防犯灯など道路照明を増やせば、少しでも安全性が上がるのではないだろうか。こうした道路を災害が起こる前から把握し改善することが、災害からの二次的被害を防ぐことにつながる。
情報をお願いいたします
紀南新聞では、今回のような避難誘導路や防犯上の観点からも安全確保が必要な箇所について、紙面で紹介していきます。日常生活の中で「危険」と感じた箇所などがあれば、情報をお願いいたします。
連絡先 紀南新聞社編集部
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