東紀州(紀北)防災ネットワーク推進会議が22日、尾鷲市向井の三重県立熊野古道センターであり、尾鷲市、紀北町、三重県と地域内の防災・危機管理関係機関の幹部や担当者が取り組み報告などを通じて情報共有を図った。
会合では、元輪島市福祉課主幹で、社会福祉法人麦の子会(札幌市)の羽村龍さんが「能登半島地震における災害ケースマネジメントの実際」をテーマに講演。福祉の観点から災害時に求められる対応などを、体験談を元に助言し、備えを呼び掛けた。
羽村さんは、発災以降、どのような支援が主に求められているかを説明。福祉や生活再建のニーズは時間がたつにつれ現れる、とした。
災害ケースマネジメントについては、「被災者一人一人の被災状況や生活状況の課題などを個別の相談などにより把握した上で、必要に応じて専門的な能力を持つ関係者と連携しながら、課題などの解消に向けて継続的に支援することで被災者の自立・生活再建が進むようにすること」と位置付けた。
また、福祉の分野を生活支援、高齢福祉、障害福祉、児童福祉に分け、通常時に行っている福祉サービスなどの支援を説明。通常時にも複合的な支援が必要な人が存在するが、災害によって住むところや仕事を失うこと、家族や親しい人が被災することなどで「各分野の支援対象者が拡大する」と指摘。特に、生活困窮への対応が求められる人が増加すると述べ、市役所・町役場と関係機関が連携し、生活再建を支援していく必要があると説いた。
その上で、平時の施策を充実させることが大切と説明し、生活支援体制整備事業、介護予防、自立支援事業、居住支援事業、防災訓練などの活動を、災害支援と紐づけて取り組んでおくことが効果的と述べた。また、外部との関係では受援力(助けてもらう力)の重要性も指摘。助けてほしい、と外部に情報発信することで、支援が得られやすくなると語ったほか、自治体内では住民に助けてもらうのが大切と語った。
また、被災地では行政職員や福祉関係者が、自らも被災者でありながら支援活動を行っていることが「一番の課題。大変な中で必要な支援が増える」と述べた。また、申請しなければ支援が受けられない仕組みになっていると指摘し、「サポートを受けられない人がいる」として、支援者側が手を伸ばすことの重要性を説いた。
