尾鷲市の統合教育会議が20日、開かれ、「市立学校の教職員に関する業務量管理・健康確保措置実施計画」について協議した。いわゆる残業に当たる1か月間の時間外在校等時間が45時間を超える労働者(教員)を2029年までにゼロにすることなどを目指す。
統合教育会議は、2015(平成27)年度に設けられた仕組みで、市区町村長らと教育委員会が教育政策について協議・調整する場で、全ての地方自治体に設置させる。教育行政の大綱の策定、教育の条件整備など重点的に講ずべき施策、児童・生徒等の生命・身体の保護等緊急の場合に講ずべき措置などについて話し合うことになっている。
加藤千速市長は冒頭のあいさつで、学校は子どもが安心して健やかな生活を送る基盤との認識を示し、その環境を提供するために、教職員が専門性を最大限発揮できることが大切と語り、計画を実効性のあるものにしなければならないと思いを述べた。
2024年の実績では1か月の時間外在校等時間が、過労死ラインとされる80時間を超える人はいないものの、45時間超の労働者が26人、1年間の校内での残業が360時間を超える労働者が13人いる。また、有給休暇の取得日数は小学校で16.7日、部活動指導のある中学校で13.1日で、平均は14.9日。これを16日以上にすることを目標としている。
取り組み方針として、勤務時間の客観的把握と上限順守の徹底、長時間労働是正に向けた統一の取り組み、多様な専門人材・地域人材との連携、部活動指導の負担軽減と地域連携、教育課程の編成と日課表の工夫などを示している。
4月に尾鷲小教頭から市教育委員会に異動になった山本浩蔵学校教育課長は、残業の多くが会議によるものと紹介し、運用改善で大幅な時間短縮につながったことを紹介。また、中堅教員が少なく、ノウハウのない若手が多いことから、若手とベテランがチームになって校務に取り組むようにした、と説明した。
元小学校長の内山善嗣委員は、指導の業務もきりがないと説明。若手職員のレベルアップと時短のため「実践例を市教委に集めて各校に流すなど、指導方法の共有を」と提案。できれば東紀州5市町などの広域で取り組めればよいと語った。
加藤市長は、ごみ処理や消防の指令システムの広域化を念頭に「広域で課題解決することがあっていい」と語った。
教員へのアンケートによると、小学校では家庭訪問の移動にかかる時間、欠席児童の理由や状況の把握、問題行動への対応、交通安全指導など、中学校では部活動指導、生徒指導、テストの採点、掲示物等の作成などが直面している課題として挙げられたという。
